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スワップアービトラージとは?海外FX・DEXのスワップとファンディングレートで稼ぐ裁定取引のやり方

最終更新:2026年10月20日公開:2026年10月20日執筆:村上 隼人

ノートパソコンとスマホのあいだで上下の矢印が打ち消し合い、コインが器にたまっていくイラスト
目次

スワップアービトラージは、同じ銘柄の買いと売りを別々の口座や取引所で持ち、値動きの損益を打ち消しながら、スワップやファンディングの受け取りだけを狙う取引です。

海外FX業者同士で行う方法は以前から知られていますが、最近は無期限先物DEXでドル円やゴールドも取引できるようになり、海外FXとDEXを組み合わせる新しい方法が使えるようになりました。日本語ではまだほとんど解説されていない方法です。

この記事では、15年以上トレードを続けてきた私たちが、実際に使っているスワップアービトラージの3つのパターンと始め方をまとめました。情報は2026年10月時点のものです。

スワップアービトラージとは?

FXでは、金利の高い通貨を買うとスワップを受け取り、売るとスワップを支払います。無期限先物DEXでも、ファンディングレートによって買い手と売り手のあいだでお金がやり取りされます。

スワップアービトラージでは、同じ銘柄・同じ数量で「受け取る側」と「支払いが少ない側」のポジションを別々に持ちます。値動きによる損益は買いと売りで打ち消し合うため、相場の上げ下げに関係なく、受け取りと支払いの差額が収益になります。海外FX業者同士で行うものは「異業者間両建て」や「スワップサヤ取り」とも呼ばれます。

3つのパターン

パターン 組み合わせ 収益の源
① 海外FX業者同士 スワップを受け取れる口座 × スワップフリー口座 受け取るスワップ
② 海外FX × DEX FX業者のスワップ × DEXのファンディング スワップとファンディングの差
③ DEX同士 ファンディングが高いDEX × 低いDEX ファンディングの差

パターン① 海外FX業者同士(異業者間両建て)

一方の業者でスワップを受け取れる側のポジションを持ち、もう一方の業者のスワップフリー口座で反対のポジションを持つ方法です。スワップフリー口座ではスワップを支払わないため、受け取ったスワップがそのまま収益になります。

  • 例:A社でドル円を1ロット買い(1日+800円)、B社のスワップフリー口座で1ロット売り(0円)
  • 30日間(スワップ30回分)で:800円 × 30回 − 往復コスト2,000円 = +22,000円

スワップは多くの業者で週に1日(水曜日など)3日分がまとめて付くため、1週間保有すると通常7回分になります。スワップの金額は業者が随時見直すので、始める前と保有中に確認しておきましょう。

パターン② 海外FX × 無期限先物DEX

私たちが最も注目しているのがこの組み合わせです。

DEXで取引できる主な銘柄

銘柄 取引できる主なDEX
ドル円・ユーロドル・ポンドドル Hyperliquid(Trade[XYZ])、Lighter、Nado、edgeX
ゴールド・シルバー Hyperliquid(Trade[XYZ])、Lighter、edgeX、Aster、Variational
原油(WTI・ブレント) Hyperliquid(Trade[XYZ])、Lighter、edgeX、Aster、Variational
米国株価指数・日経225 Hyperliquid(Trade[XYZ])、Lighter、Nado、edgeX、Aster、Variational

DEXのFX銘柄はファンディングが小さい

FX業者のスワップは2つの通貨の金利差で決まるため、ドル円の買いではプラスのスワップを受け取れます。一方、DEXのドル円は価格差だけでファンディングが決まる仕組みが多く、ファンディングはほぼ0になりやすいのが特徴です。2026年10月20日には、Lighterのドル円のファンディングは24時間ずっと0%でした。

つまり、FX業者でドル円を買ってスワップを受け取り、DEXで同じ量を売って値動きを打ち消せば、スワップフリー口座を使わなくても金利差を受け取れるということです。

  • 例:FX業者でドル円を1ロット買い(1日+800円)、Lighterで10万ドル分を売り(ファンディング0%)
  • 30日間で:800円 × 30回 − 往復コスト1,500円 = +22,500円
  • 必要な証拠金の目安:FX業者(1,000倍)約15,800円+Lighter(50倍)約316,000円。余裕を持たせて合計50万円なら、年率は約58%

「毎時」と「1日1回」のタイミングの違いを使う

FX業者のスワップは、多くの業者で日本時間の朝6時(冬時間は7時)のロールオーバーにだけ付きます。一方でHyperliquidなどのファンディングは1時間ごとです。

この違いを使うと、DEXでファンディングを毎時受け取りながら、FX業者側はスワップを支払う前に決済することもできます。たとえばゴールドでDEXのファンディングが高いときに、DEXで売り、FX業者で買って18時間持ち、ロールオーバーの前に両方を決済する方法です。

  • 例:ポジション金額158万円、DEXのファンディング+0.01%/時間を18時間受け取る
  • ファンディング:1,580,000円 × 0.01% × 18時間 = 2,844円、往復コスト2,000円を引いて +844円

短時間の取引は、スプレッドと手数料で利益の大半がなくなることもあります。ファンディングが十分に高いときだけ使うのがポイントです。

週末の扱いに注意

FX業者は土日に取引できませんが、DEXは24時間365日動いています。週末はDEX側だけ価格が動くため、片側のポジションだけ損益が変わることがあります。edgeXのように週末はFX銘柄の新規注文ができないDEXもあるので、週末をまたぐかどうかは事前に決めておくと安心です。

パターン③ DEX同士のファンディング裁定

同じ銘柄でも、DEXによってファンディングレートは違います。ファンディングが高いDEXで売り、低いDEXで買えば、その差を受け取れます。

  • 例:HyperliquidのBTCが+0.01%/時間、Lighterが+0.002%/時間のとき、Hyperliquidで1万ドル分売り、Lighterで1万ドル分買う
  • 1時間あたり:1万ドル ×(0.01% − 0.002%)= 0.8ドル、1日で約19.2ドル
  • コスト:Hyperliquidのテイカー手数料0.045% × 往復 = 9ドル(Lighterの標準アカウントは手数料0%)。約11時間で手数料を回収できる計算です

DEXごとにファンディングの表示単位(1時間・8時間・24時間あたり)が違うので、比べるときは必ず1時間あたりに直しましょう。詳しくはファンディングレートとは?で解説しています。

スワップアービトラージの始め方

  1. 銘柄を選ぶ:両方の口座・取引所で取引できる銘柄を選びます。ドル円とゴールドが使いやすい組み合わせです
  2. スワップとファンディングを比べる:FX業者のスワップ一覧とDEXのファンディングを確認し、スワップ・ファンディング裁定計算ツールで収益と損益分岐日数を計算します
  3. 両方に証拠金を入れる:DEXにはUSDCなどの暗号資産で入金します。手順は海外FXに仮想通貨で入金・出金する方法が参考になります
  4. 同じ数量で同時にエントリーする:価格がずれないよう、できるだけ同じタイミングで買いと売りを入れます
  5. 証拠金維持率を見ながら保有する:片方に含み損が出たら、もう片方の利益から資金を移して維持率を保ちます

知っておきたいポイント

  • レートは変わる:スワップは業者が見直し、ファンディングは1時間ごとに変わります。マイナスに転じたら決済を考えましょう
  • コストを先に計算する:スプレッドと手数料は、エントリーと決済の2回かかります
  • 片側のロスカットに注意:値動きは全体で打ち消し合っても、証拠金は口座ごとに管理されます。どちらの口座にも余裕のある証拠金を入れておくことが大切です。必要証拠金は証拠金・ロスカット計算ツールで確認できます
  • 価格の差:FX業者とDEXでは価格が少しずれることがあり、エントリーと決済のタイミングで損益が出ることがあります

よくある質問

スワップアービトラージは違法ですか?

違法ではありません。ただし取引の条件は業者・取引所ごとに違うため、利用規約はご自身で確認してください。

いくらから始められますか?

FX業者側はハイレバレッジで少ない証拠金で済みますが、DEX側は最大50倍ほどのため、ドル円1ロット分(10万ドル)なら数十万円は見ておくと安心です。マイクロ口座や小さい数量なら、より少額から試せます。

ゼロカットは使えますか?

複数の業者をまたいだ両建ては、ゼロカットの対象外になるのが一般的です。ロスカットにならないよう、証拠金には余裕を持たせましょう。

税金はどうなりますか?

海外FXの利益もDEXの利益も雑所得として総合課税の対象です。同じ雑所得なので、片側の損失ともう片側の利益は相殺できます。詳しくは海外FXの税金ガイドをご覧ください。

まとめ

スワップアービトラージは、値動きを打ち消しながらスワップやファンディングを受け取る取引です。海外FXとDEXを組み合わせると、金利差の受け取りや、毎時と1日1回のタイミングの違いといった、まだ多くの人が使っていないチャンスがあります。まずは計算ツールでコストと損益分岐日数を確かめ、小さな数量から試してみてください。DEXの比較は無期限先物DEXおすすめ比較、海外FX業者の比較は海外FXおすすめランキングでまとめています。

村上 隼人

執筆

村上 隼人

無期限先物DEXレビュー担当

FXと株式のトレード歴は約20年。暗号資産は約8年前に中央集権型取引所(CEX)で取引を始め、ここ3年は無期限先物DEXを中心に取引しています。Hyperliquid・Lighterなど無期限先物DEXのレビューを担当し、ファンディングレートの仕組みや、海外FXと組み合わせたアービトラージなどの取引手法も解説しています。

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