ファンディングレート(資金調達率)とは?仕組み・計算方法とDEX別の違い、FXのスワップとの比較
最終更新:2026年10月20日公開:2026年10月20日執筆:村上 隼人

目次
無期限先物DEXで取引していると、ポジションを持っているだけで少しずつお金を受け取ったり支払ったりしていることに気づきます。これがファンディングレート(資金調達率)です。
FXのスワップと似ていますが、決まり方も支払いのタイミングも違います。この記事では、15年以上トレードを続けてきた私たちが、ファンディングレートの仕組みと計算方法、DEXごとの違い、FXのスワップとの比較をまとめました。情報は2026年10月時点のものです。
ファンディングレートとは?
無期限先物(パーペチュアル)は、決済期限のない先物です。期限がないため、放っておくと先物の価格が現物の価格から離れていってしまいます。そこで、先物価格が現物より高ければ買い手が、安ければ売り手が相手に支払うことで、価格を現物に近づける仕組みがファンディングレートです。
支払いは取引所ではなく、トレーダー同士のあいだでやり取りされます。Hyperliquidなど多くのDEXでは、取引所が手数料を取ることもありません。
プラスとマイナスの意味
| ファンディングレート | 意味 | 支払う側 | 受け取る側 |
|---|---|---|---|
| プラス | 先物が現物より高い(買いが多い) | 買い(ロング) | 売り(ショート) |
| マイナス | 先物が現物より安い(売りが多い) | 売り(ショート) | 買い(ロング) |
相場が強気で買いが集まると、ファンディングレートはプラスに大きく傾きます。売りポジションを持っていれば、そのぶん毎時受け取れるということです。
ファンディングの計算方法
支払額(受取額)= ポジションの金額 × ファンディングレート
Hyperliquidでは、ポジションの数量に参照価格(オラクル価格)を掛けた金額に、1時間あたりのレートを掛けて計算します。
計算例:1万ドルのポジションを持った場合
| 1時間あたりのレート | 1時間 | 1日(24時間) | 年率換算 |
|---|---|---|---|
| 0.00125%(基準値) | 0.125ドル | 3ドル | 約10.95% |
| 0.005% | 0.5ドル | 12ドル | 約43.8% |
| 0.01% | 1ドル | 24ドル | 約87.6% |
1時間あたりではごくわずかな数字でも、年率に換算すると大きな金額になります。逆に、支払う側で長く持ち続けると、ファンディングだけで大きなコストになる点にも注意しましょう。
ファンディングレートの決まり方(Hyperliquidの場合)
Hyperliquidのファンディングレートは、次の2つを足して決まります(出典:Hyperliquid Docs)。
- プレミアム:先物価格と参照価格の差。5秒ごとに計測し、1時間の平均を使います
- 金利:8時間あたり0.01%(1時間あたり0.00125%)で固定されています
1時間あたりの上限は4%です。先物と現物の価格差がほとんどないときは、金利のぶんだけ買い手が売り手に少しずつ支払う状態が基準になります。
無期限先物DEX別のファンディングの違い
| DEX | 支払い間隔 | 画面での表示 | ポイント |
|---|---|---|---|
| Hyperliquid | 1時間ごと | 1時間あたり | 上限は1時間4%。HIP-3の銘柄は算出方法が少し違う |
| Lighter | 1時間ごと | 1時間あたり | 上限は1時間0.5% |
| Nado | 1時間ごと | 24時間あたり | 表示は1日分のレート。1時間あたりはその24分の1 |
| Aster | 銘柄により1・2・4・8時間 | 精算間隔あたり | BTC・ETHは8時間ごと。精算時刻の前後15秒も対象 |
| edgeX | 4時間ごと | 4時間あたり | 上限は銘柄ごとに設定 |
| Variational | 1〜8時間 | 精算間隔あたり | 間隔はBybitなど大手取引所に合わせて変わる |
ここで大切なのは、DEXによって「何時間あたりのレートか」の表示が違うことです。Nadoの0.03%は1日あたり、Hyperliquidの0.03%は1時間あたりで、同じ数字でも実際の金額は24倍違います。比べるときは、1時間あたりか年率に直してから比べましょう。
ファンディングレートとFXのスワップの違い
| 項目 | ファンディングレート(DEX) | スワップ(海外FX) |
|---|---|---|
| 決まり方 | 先物と現物の価格差(市場の需給) | 2つの通貨の金利差に業者の調整を加えたもの |
| 支払いのタイミング | 1時間ごと(Hyperliquidなど) | 1日1回、ロールオーバーの時刻 |
| 受け払いの相手 | トレーダー同士 | FX業者 |
| 変わりやすさ | 1時間ごとに変わる | 比較的安定している |
| 特別な日 | なし | 水曜日などに3日分まとめてかかる業者が多い |
海外FXのスワップは、多くの業者で日本時間の朝6時(冬時間は7時)ごろに、その時点でポジションを持っている人だけにかかります。一方でHyperliquidのファンディングは毎時です。同じ「ポジションを持つコスト・収入」でも、発生するタイミングがまったく違うのです。
また、XMTradingのKIWAMI極口座のように、主要通貨ペアやゴールドでスワップがかからない口座もあります。
ファンディングレートを活かした取引
ファンディングレートを理解すると、値動きではなく「受け取るお金」を狙う取引ができるようになります。
- DEX同士の裁定:同じ銘柄で、ファンディングが高いDEXで売り、低いDEXで買うと、値動きを打ち消しながら差額を受け取れます
- 現物と先物の組み合わせ:現物を買い、同じ量を無期限先物で売ると、価格変動の影響を抑えながらプラスのファンディングを受け取れます
- 海外FXとDEXの組み合わせ:スワップのかからない口座と、ファンディングを受け取れるDEXのポジションを組み合わせる方法です。ゴールドなど、両方で取引できる銘柄で使えます
特に海外FXとDEXの組み合わせは、支払いタイミングの違いを活かせる、まだ使っている人が少ない方法です。具体的なやり方はスワップアービトラージとは?で解説しています。
よくある質問
ファンディングレートがプラスとマイナス、どちらが得ですか?
自分のポジションによって変わります。プラスのときは売り(ショート)が、マイナスのときは買い(ロング)が受け取る側です。
精算時刻の直前にポジションを持つだけでも支払いや受け取りは発生しますか?
多くのDEXでは、精算時刻にポジションを持っていれば、その回のファンディングの対象になります。Asterのように、精算時刻の前後数秒も対象に含めるDEXもあります。
ファンディングの手数料はかかりますか?
Hyperliquid・Lighter・Asterなどでは、ファンディングはトレーダー同士のやり取りで、取引所の手数料はかかりません。
ファンディングで得た利益に税金はかかりますか?
はい。暗号資産の取引で得た利益と同じく、雑所得として総合課税の対象になります。詳しくは海外FXの税金ガイドをご覧ください。
まとめ
ファンディングレートは、無期限先物の価格を現物に近づけるために、買い手と売り手のあいだで毎時やり取りされるお金です。FXのスワップとは決まり方もタイミングも違い、この違いを理解すると取引の選択肢が広がります。DEXごとの手数料や特徴は無期限先物DEXおすすめ比較で比較しています。

執筆
無期限先物DEXレビュー担当
FXと株式のトレード歴は約20年。暗号資産は約8年前に中央集権型取引所(CEX)で取引を始め、ここ3年は無期限先物DEXを中心に取引しています。Hyperliquid・Lighterなど無期限先物DEXのレビューを担当し、ファンディングレートの仕組みや、海外FXと組み合わせたアービトラージなどの取引手法も解説しています。
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